ブックタイトルRp.+レシピプラス 2018年春号

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概要

Rp.+レシピプラス 2018年春号

 今回特集する甲状腺は,ちょうど蝶ネクタイの位置にある15?20gの小さな臓器でありながら,ホルモンを分泌する内分泌臓器としては最大の大きさです.甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンは,精神状態から心臓,骨格筋,コレステロール代謝に至るまで全身に大きな影響を及ぼす作用を有しています.その機能異常症は代表的な内分泌疾患であり,日常診療でよく遭遇します.甲状腺疾患に対する診断・治療法は古くから確立され,その精度は科学技術の発展とともに進化しているものの,治療薬のラインアップは数十年間変わっておりません.しかし,他の薬剤との併用療法や投与方法など新しいこともあります.バセドウ病を例にあげると,治療の基本となる抗甲状腺薬に甲状腺ホルモン薬や無機ヨウ素,さらに炭酸リチウムなどを組み合わせて用いられることがあり,よく「処方の間違いですか?」と疑義照会を受けることがあります.また,甲状腺機能低下症に対して処方される甲状腺ホルモン薬は,用量調整の前に内服方法をちょっと工夫するだけで患者さんの負担を軽減することができます. 今回は,そのような明日からすぐに役立つ知識の普及を目的とし,各分野のエキスパートにわかりやすい解説をお願いいたしました.本特集が,皆さまの甲状腺疾患に対する理解を深めるきっかけになれば幸甚です.順天堂大学大学院代謝内分泌内科学 准教授内田豊義Vol.17,No.2 003