ブックタイトルRp.+ 2018年夏号

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概要

Rp.+ 2018年夏号

基め固礎 外用療法Vol.17,No.3 003 褥瘡対策として,日本褥瘡学会や日本皮膚科学会からもガイドラインが出されているのに加え,多くの関連書籍も出版されています.薬剤師もチーム医療の一環として,褥瘡対策チームなどに属して回診に参画することで,薬の専門家として貢献してきました.最近では在宅医療などでも,医師や訪問看護師などと連携して褥瘡治療に介入している薬剤師も増えています.このように褥瘡の患者に長く携わっていても,褥瘡治療に日々悩んでいることが多いのではないでしょうか? 褥瘡は患者さんごとに異なり,同じ症状でも同じ治療で改善するとは限りません.ガイドラインを熟知して,数多くの論文を読んでエビデンスに基づいて治療方針を決定しても,うまくいかないこともあります.多くの経験とエビデンスの組み合わせが必要となります.病院や在宅医療におけるチーム医療では,多職種から得られる専門性が発揮されることが大切です.そのためには,個々の連携と相互の理解が不可欠です.医師が治療方針を決定し,皮膚外用薬を選択した場合,薬剤師だけでなく,チーム全員が処方意図を理解するために知識の共有も大切です.チーム内で症例検討会や勉強会を行うなど,各職種の理解を深める必要があります.在宅医療においても,できる限り情報を共有することが不可欠です. 今回の特集では,褥瘡治療に対して臨床経験が少ない薬剤師でも理解できるように,各分野で経験の豊富なエキスパートである医師,薬剤師および看護師の先生方に丁寧にわかりやすく解説していただきました.特に安部先生には今回多くのアドバイスを頂きました.一読していただくと,今まで漫然といだいていた疑問や臨床現場での問題などに対して,明快な回答が得られると思います.最後までしっかりと読んでいただき,必要なときに繰り返し読んでいただきたい内容だと思います. この特集が,褥瘡の入門専門誌としてばかりでなく,褥瘡治療で活躍されている薬剤師の方にも明日からの回診や薬剤業務にぜひ活用いただくことを切望します.杏雲堂病院診療技術部 部長 大谷道輝