新耳鼻咽喉科学 11版

新耳鼻咽喉科学 11版 page 2/12

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9) 鼓室形成術の誕生(1952)と普及1952年にWullstein は「全中耳系の再建」というコンセプトを抱き,鼓室形成術tympanoplastikを発表し,その後,世界中で行われるようになり,鼓室形成術Ⅰ?Ⅴ型が定着した.Wullst....

9) 鼓室形成術の誕生(1952)と普及1952年にWullstein は「全中耳系の再建」というコンセプトを抱き,鼓室形成術tympanoplastikを発表し,その後,世界中で行われるようになり,鼓室形成術Ⅰ?Ⅴ型が定着した.Wullstein は次の発展は第2段階の「外耳道をできるだけ正常な状態に保存すること,すなわち不快な乳突I腔の形成を防止すること」で,最終的な第3段階は「移植材料の簡素化と手術の持続的効果の維持」になるであろうと述べた.1973 年,スウェーデンのEkvall らによって根治術後の感染のない大きな乳突腔を自然な形状に戻し,かつ聴力改善を目指す術式が導入され,わが国では1980年代になってcavity problem を伴う感染耳にも耳漏の停止と聴力改善を目標として行われるようになった.10) 20 世紀後半の人工感覚器の発展感音難聴の治療は補聴器の装用のみであったのが,高度の後天性難聴も先天性難聴も人工内耳手術で新たに聴覚を獲得できるようになった.1970年,Houseによる単チャンネル人工内耳手術が開発され臨床導入されたが,1980年,Clerk による多チャンネル人工内耳手術が発表され世界に広がった.現在は,数社の種々の多チャンネル人工内耳手術がわが国でも実施されている.混合性難聴に対する聴力改善を目的とする人工中耳がわが国で1984年に開発され,臨床に導入された.しかし,現在は海外のメーカーが発展させ,海外で多くの手術が行われている.以上のように耳科学の手術は,頭蓋内合併症を予防し救命するために始まったものが,抗生物質により中耳炎による死亡者はほとんどいなくなるまでに激減し,現在は聴覚障害のもたらす生活の困難を改善するための手術によるQOL の向上に目標が変わっている.今後は人工聴覚器の発展として再生医療の臨床応用が期待される.耳科学・神経耳科学6