新耳鼻咽喉科学 11版

新耳鼻咽喉科学 11版 page 4/12

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る.有毛細胞は上端に聴毛をもつ重要な聴感覚細胞であって,蝸牛神経末端がここに終わっている(図I-28,29).b) 蝸牛感覚細胞(有毛細胞)の微細構造外有毛細胞は円柱状で末端は半球状,先端は六角形に近くそこに約12....

る.有毛細胞は上端に聴毛をもつ重要な聴感覚細胞であって,蝸牛神経末端がここに終わっている(図I-28,29).b) 蝸牛感覚細胞(有毛細胞)の微細構造外有毛細胞は円柱状で末端は半球状,先端は六角形に近くそこに約120本の聴毛(不動毛stereocilia)がW 状に数列に並んでいる.このW は常に蝸牛軸に向かって開いている.毛の長さは一様でなく,外側がもっとも丈が高い(図I-28?30).長い聴毛は蓋膜の下面に入り込んで接触を保っていて,後述のように蓋膜がずれて聴毛が傾くと細胞が刺激を受ける.なお,蝸牛の有毛細胞には動毛kinociliumはない.内有毛細胞はフラスコ形で,聴毛が約40本あり,ほぼ直線状に2列に並んでいる(図I-29).一般に内有毛細胞は外有毛細胞よりも原始的で音響や毒物に対して抵抗が強いと信じられている.c) 内耳感覚細胞の神経支配蝸牛,前庭ともに内耳の感覚細胞は2種類の神経支配(求心性および遠心性神経)を受けている(内耳の神経p. 30).感覚細胞に接触するその神経終末は,求心性神経では無顆粒性神経終末non-granularnerve endingsで,遠心性神経では顆粒性神経終末granular nerve endingsである(図I-28,29).d) 蓋膜tectorial membrane細線維を含む弾性膜で有毛細胞をおおって広がっている.e) 蝸牛管cochlear duct全長約32 mmあり,その断面は蝸牛頂に近づくにつれ小さくなる.しかし基底板の幅は蝸牛窓付近で狭く(80 mm),頂に向かうに従ってしだいに広がり,頂よりほぼ?回転下方で最大幅(500 mm)となる.コルチトンネルは基底から頂に向かって大きくなり,ラセン帯は小さくなる.また蓋膜は基底回転より頂に向かって幅を増している.このような各回転における構造の差は聴覚学説の解剖学的基礎となっている.) 前庭vestibule (図I-22,23,31,32)前庭に入っている膜迷路は球形嚢saccule および卵形嚢utricle で,両者は内リンパ管(その周囲の間隙は前庭水管)に連なり後頭蓋窩の硬膜内にある内リンパ嚢という盲管に終わる(図I-24).球形嚢は結合管ductus reuniensで蝸牛管に連なる.前庭の内部表面には感覚上皮部があって,平衡斑maculaといい,前庭神経終末が分布する(図I-31,33).感覚上皮から出ている感覚毛は上にのっている扁平な耳石膜(平衡砂膜)otolithic membrane中に入り込んでいる.耳石膜は透明なコロイド様物質からなり,なかに炭酸カルシウムよりなる小粒子である耳石(平衡砂)otolith(statoconia)を入れている(図I-31,32).卵形嚢斑の平面と球形嚢斑の平面とは互いにほぼ直角をなしている(p. 49 図I-53).) 三半規管semicircular canals半環状の,空間的に互いにほぼ直角をなす3つの管で,骨半規管semicircular canalのなかに膜半規管semicircular ductを入れている.その位置により,それぞれ,外側(水平)半規管lateral semicircular canal,後(垂直)半規管posterior semicircular canal,前(垂直)半規管anterior semicircular canalという.この半規管の一端は膨大して膨大部ampulla をなし,前・後半規管の膨大部でないほうは2端が合して総脚common crusをなす.膜半規管膨大部の内部には稜cristaがあり,ここには支持細胞,有毛細胞があって,その感覚毛は長く伸びてクプラcupulaの内部に入る.クプラは内リンパ中を横切って対側に達している(図I-34).前庭神経終末は有毛細胞に分布する(図I-33,34).耳科学・神経耳科学総論26