新耳鼻咽喉科学 11版

新耳鼻咽喉科学 11版 page 6/12

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色にみえる(図I-68).インフルエンザ性中耳炎では鼓膜に生じた血疱のため暗青赤色に,またまれに鼓室内に露出した頸静脈球が青く透けてみえることがある(図I-69).c)混濁dullness中耳炎,耳管炎などの後遺症(あるい....

色にみえる(図I-68).インフルエンザ性中耳炎では鼓膜に生じた血疱のため暗青赤色に,またまれに鼓室内に露出した頸静脈球が青く透けてみえることがある(図I-69).c)混濁dullness中耳炎,耳管炎などの後遺症(あるいは残遺症)として鼓膜組織に変性が起こると斑点状,線状あるいはびまん性の乳白,灰白色に混濁したようにみえる.このような場合光錐がみられないことが多い.境界明確な白亜様白色肥厚斑は鼓室硬化症tympanosclerosis 病変が鼓膜に現れたものであり,石灰沈着calcific plaqueと呼ばれている(図I-70).d) 膨隆swelling鼓室に滲出液が充満すると,その内圧により鼓膜は膨出してくる.ツチ骨柄は前下外方に転位して垂直位に近づき,多くの場合同時に存在する炎症のため鼓膜は発赤して外側(短)突起,光錐はみえなくなる(p. 136 図I-151参照).e) 内陥retraction (図I-71,72)耳管狭窄症のため鼓室の通気障害が起こり,鼓室内空気が吸収されて陰圧となり鼓膜は内陥する.耳鏡的には次の特徴がみられる(図I-76).① ツチ骨外側突起は鋭く外方に突出する.② ツチ骨柄は後上方内に転位して水平位に近づき,短くみえる.③ 鼓膜ヒダ,とくに後ツチ骨ヒダが線状に高まって顕著にみえる.④ 光錐は位置および形を変えあるいは消失し,別な場所(弛緩部,周辺部など)に異常光反射が出現する.f) 穿孔perforation (図I-73,74)その原因によって外傷性穿孔と炎症性穿孔の2種がある.ⅰ) 炎症性穿孔inflammatory perforation 急性,慢性化膿性中耳炎または特殊性中耳炎によって起こり,鼓膜緊張部に多いが弛緩部にも生じる.① 緊張部の穿孔鼓膜の前下,後下にもっとも多く,大きさは針先より緊張部の全欠損に至るまで種々である.形も円形,楕円形,腎形,心臓形などがあり,多くは1個であるが多発することもある(結核性中耳炎).たとえ狭くなっていても鼓膜周辺部を残しているものを中心性穿孔central perforationといい,穿孔の一部が鼓膜輪tympanic anulusに達するものを辺縁性穿孔marginal perforation という.大穿孔の場合にはそれを通して種々の病変を呈す耳科学・神経耳科学総論66後上象限後下象限前下象限前上象限中心帯中間帯辺縁帯図I-66 鼓膜の臨床的区画